NyasPaper

ストレス社会を闘うあなたに猫を。

ジェネリックで得する人と損する人の違い

      2016/08/13

厚労省をはじめとした公務員

公務員の公務員たる所以は、損得考えずにお国のために働くことです。お国のために働くためには、大前提としてお国に存続して頂かなければなりません。

昨今、財政逼迫によりお国の存在危機が騒がれておりますが、その騒ぎの一要因が医療費です。

1

2

平成元年に20兆円であった医療費は年々増加し、平成25年にはその倍の40兆円へと上昇しました。この上昇傾向は、今後も続き、団塊の世代(1947~49年生まれ)の全員が75歳以上、つまりは後期高齢者になる2025年には医療費が50兆円を突破すると試算されております。

この医療費を少しでも軽減させるためには、手段を選んでる暇はありません。調剤医療費が医療費全体に占める割合は約20%でその額約7兆円です。この7兆円のうち薬剤料が約5兆円、この薬剤料に占める後発品の割合は平成25年度でわずか1割強でした。1)

この薬剤料に占める後発品の割合を少しでも引き上げることで医療費を削減しようと、政府は平成30年までに数量シェアで60%、平成32年までに80%と後発品の目標値を定めています。

この目標を達成するため、薬剤師に後発医薬品調剤体制加算というインセンティブを渡し、後発品を開発する製薬会社を支援する施策を打ちますが、それは政府が国民の将来を考えてのことです。

国家が存続しなければ国民は存続ができませんので、決して政府の損得勘定で動いているわけではないのです。

病院経営に携わらない医師

6者の中で最も中立的な立場で後発品と向き合えるのが、病院経営に携わらない医師です。薬を売るわけでもなく、飲むわけでもなく、ただ疾患に応じて薬を処方するだけの存在です。

最も中立的な立場にも関わらず、薬を選ぶ時の彼らの決定権が弱まっていることは、悲しいかな。弱まっている要因としては、後発品の普及により得する病院経営に携わる医師と、薬剤師の存在です。

病院経営に携わる医師の影響は、薬を処方するレセプト画面に反映されます。病院内にあるパソコン端末には、処方できる薬剤リストが予め登録されており、このリストに記載されていない薬はそもそも患者に処方できない仕組みです。

つまり、このリストから先発品を削除して、後発品のみが登録された薬剤リストに変更することでそもそも医師が先発品を選択する権利を奪えるのです。

また、たとえ医師が先発品の処方箋を発行したとしても、その処方箋を受け取る先の薬局の薬剤師により後発品に変更される可能性もあります。

後発品に変更しませんか?

薬局で薬を受け取る時に一度はこのような声をかけられたこと経験があるでしょう。医師が発行した処方箋には、後発品への変更不可の印がない限り(以前までは処方箋に変更可能の印がある限り)は、患者の同意さえ取れれば薬剤師の意志に基づいて先発品から後発品へと処方の変更が可能です。

以上のように、病院経営に携わらない医師が先発品か?後発品か?を選ぶ決定権が、病院経営に携わる医師と薬剤師の台頭により弱まっています。

弱まっておりますが、今回の記事で肝心なことは病院経営に携わらない医師が後発品をどう捉えているか?です。これは恐らくになりますが、大は小をかねるに倣って…

先発品は後発品をかねる

という、可能な限り薬剤の選択において無駄なリスクを犯さない無難な選択をしたいというのが本音でしょう。

先発品と後発品における明らかな違いは、その情報量にあります。後発品は国から製造販売の許可を得るための最低限度の情報しか有しておらず、それ以上の情報は有しておりません。

例えば、先発品のディオバンには高血圧を治すだけでなく脳卒中の予防効果もあると言われていました。

しかし、後発品のディオバンは高血圧の効果効能こそ認められてはいたものの、脳卒中の予防効果を認めるか?といえば、それはクエスチョンです(まあ、ディオバンの脳卒中の予防効果の根拠は捏造データに基いていたので、結果として先発品も後発品も同じでしたが)

このように、先発品には認められているが、後発品には認められていない付加価値的な情報を先発品は有しております。

また、医師にはこれまで先発品を長きに渡って処方してきたという経験からくる安心感があります。以上のことから、大である先発品よりも小である後発品を処方することは…

めんどくさい

ってのが本音ではないでしょうか。

以上、後発品について何かしらの意見を述べる登場人物6者の立場に沿って彼らのポジショントークの背景を紹介しました。

このポジショントークの背景を受けて、患者自身は先発品と後発品のどちらを選ぶべきなのか?について、簡単なケーススタディを提示することでこの記事を締めます。

ケーススタディ

あなたは現在40歳で不運にも60歳で亡くなることが確定している高血圧に罹った男性です。現在は、1日1回1錠100円の先発品を服用していますが、1日1回1錠50円の後発品への変更をかかりつけの薬局の薬剤師に勧められました。さて、どうしましょう?

先発品にすべきか?後発品にすべきか?において、まずあなたが検討すべきことは薬価です。

先発品:100円×0.3(3割負担)×365日×20年=219,000円
後発品:50円×0.3(3割負担)×365日×20年=109,500円

ご覧の通り、先発品でも後発品でも国民皆保険制度が整った日本においては、20年間薬を服用し続けてもたったの10万円しか変わりがありません。

この程度の薬価差であれば、個人的には値段に固執することで後発品にわざわざ変更すべきではないという考えです。

ただし、個人の利益でなく全体最適を考えるといかがでしょうか?厚労省の方向によれば、国内の高血圧患者は約4000万人いると言われております。

この4000万人の患者(仮にすべての患者を現在40歳で不運にも60歳で亡くなることが確定している高血圧に罹った男性と仮定)のうちすべての患者が1日1回1錠100円の先発品を服用した時と、1日1回1錠50円の後発品を服用した時では、どれほど薬剤料が違うのでしょうか?

先発品:100円×0.3(3割負担)×365日×20年×4000万人=8億7600万
後発品:50円×0.3(3割負担)×365日×20年×4000万人=4億3800万

ご覧の通り、個人ではたった10万円の違いが全体ですと4億3800万もの額になります。塵も積もれば山となるではないですが、個々人が協力することで医療費の削減に十分に貢献できるのです。

以上が薬価についての検討すべき考え方ですが、 命はお金にはかえられません。薬価よりも優先して検討すべきことは薬効です。ここでいう薬効とは、先発品と後発品の製剤間を比較した効果ではありません。

先述しましたが、残念なことに、世に出た情報だけでは先発品と後発品には甲乙つけがたいです。

ですが、幸いにも世に出てない情報を利用することで先発品と後発品に甲乙つけることは可能です。

この方法を用いれば、同じ有効成分を有する先発品と先発品においても甲乙つけることが可能となります。その方法とは…

試飲

です。先発品でも後発品でも、試しに飲んでみてその薬効を自身の体で確かめるという方法が、原始的ですが合理的です。

世に出ている薬の情報は、あなたの生体情報とは異なる被験者の体を利用して収集されたものであり、あくまでも統計学的に再現性があることを示したに過ぎません。

つまり、後発品に比べて先発品の方が多くの被験者でその効果を検証したため、統計学的にその効果の再現性は高いけれど、過去にあなた自身の生体を用いて被験したわけではないので、実際に試飲しない限りは先発品と後発品に甲乙つけることは不可能ということです。

以上のことから、薬価を優先するのであれば後発品をまずは試飲。統計学的な再現性を優先するのであれば先発品をまずは試飲。

試飲したうえで、先発品にするか?後発品にするか?を患者自身の頭と体で考えることをオススメします。

参照
1)後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用促進について

ページ: 1 2

 - 週間NyasPaper