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回文師インタビュー「作品数国内ナンバーワン!下ネタ回文紳士・さとーさん」

      2016/08/16

作品数国内No.1! 昼はNPOの職員として働き、夜は下ネタ回文を武器に月3でライブハウスの舞台へ。東京カルチャーカルチャー(以下、カルカル)の回文イベント『回文キング』でもお世話になっているさとーさんに、回文川柳の人・二ノ宮よう子(以下、二ノ宮)がお話を伺いました。

 

さとーさん3余生こそ恋せよ
(よせいこそこいせよ)

芦田愛菜ちゃんを回文にしてはいけない

二ノ宮:さとーさんと言えばやはり“多作”のイメージが強いですが、今現在、作品数はいくつになりましたか? あと回文歴なんかも。

さとー:回文は2008年2月ごろから始めました。2014年秋の段階で10000作を達成して、2015年の3月か4月ごろには10500を超えたのですが、その後めんどうくさくて数えるのをやめてしまって。それから1年ですから、12000作くらいにはなっていると思います。

二ノ宮:おお~。現役の回文師の中ではおそらくトップですよね。さとーさんの回文に対するその情熱というか、モチベーションは一体どこから来るのでしょうか?

さとー:強力なモチベーションとかは特にないと思うのですが、回文作るの面白いし、日に一度は現実の全てを忘れて好きなことに没頭する時間を持つようにしているので、それが結果として数字になっているんだと思います。

二ノ宮:普段、作風で心がけていること、こだわりポイントなどを教えてください。

さとー:始めたばかりのときの目標は「後世の人が読んでもわかる回文」でした。なので固有名詞は極力、避けてましたね。一時期ハマった芦田愛菜(あしだまな)シリーズでその方針は完全に崩壊してしまいましたが……

二ノ宮:わはは(笑)。芦田愛菜ちゃんは回文事故(単語によって回文にした際、偶然に悲惨な文章となってしまう現象)界の女王ですよね。

さとー:なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいです(笑)。今はあまり気負いせず「日常感じる喜怒哀楽を素直に回文にする」を目指しています。

お客さんだって回したい

二ノ宮:ここで少し、これまでさとーさんや私が関わってきた回文界の移り変わりを振り返ってみたいと思います。2011年の大震災のあとごろ、ツイッターで回文を作る人たちの間に交流が生まれて、さとーさんと私もそのころ知り合いました。それからオフ会で直接会ったりして。あのころから考えると、回文界もずいぶんと変わりましたよね。

さとー:そうですね。最初は仲間内のディープな世界でしたね。それなりに面白くて居心地の良さもありましたが、カルカルのイベントをきっかけに、それぞれのスタンスが見えてきたというか、活動の場所をネットの中に留める人と、外に求める人に別れたような気がします。

二ノ宮:私とさとーさんは明らかに“外派”ですよね。

さとー:うん。でも、どちらが良い悪いということではなく、回文師が外に出ていけるような環境が、あのイベントをきっかけにできた、ということだと思います。もちろん、それ以前からライブハウスなどリアルな場で活動していたかたたちが地ならししてくださったお陰があってのことですが。

二ノ宮:回文キングもそうなのですが、回文でライブと言っても一般のかたにはなかなかピンと来ないようですね。説明しても「回文講座をやられているってことですか?」と聞き返されてしまう。回文ライブのお客さんの反応はどうですか?

さとー:僕は小さいライブハウスで、バンドのセットの入れ替え時間にやらせていただくことが多いのですが、おおむね好評ですよ。特に初めてのかたのほうが、びっくりして喜んでくれることが多いです。最近はクイズ形式にしたり、お題を選ぶサイコロを用意してお客さんに振ってもらったり、ステージで使った回文カードをプレゼントしたりと、お客さんにいっしょに楽しんでもらう要素を盛り込むようにしています。

下ネタ回文の金字塔「我慢できない愛なき電マが」

二ノ宮:回文キングと違って、ライブハウスのお客さんは回文に感心のないかたが多いですよね。どういった作品がライブハウスではウケがいいですか?

さとー:やはり短くて、すぐわかるものは食いつきがいいですね。理解し易いものを中心に、たまに長文を混ぜておどろいてもらう。あとお約束の下ネタや有名人ネタはハズれが少ないです。

二ノ宮:うんうん。お約束じゃ仕方ないですよね(笑)。逆に失敗談なんかも伺っちゃっていいでしょうか?

さとー:自分ではかなり練った長文とか、短歌、川柳などの定型ものなんかはお客さんを置き去りにしてしまうときがありますね。あと、時事ネタはお客さんによって受け取りかたが違うので難しく感じます。失敗談と言えば、かたいはずの下ネタで「我慢できない愛なき電マが(がまんできないあいなきでんまが)」というのをやったとき、年配のお客さんから「電マってなんですか?」って真顔で聞かれたことがあって、あれには参りました。

二ノ宮:ぎゃはは(泣)。

さとーさん1

回文とは何か

二ノ宮:回文にハマった人って“ハマってしまった”と言うべきか、ある日突然、病的に文を回しはじめる人が少なからずいますよね。さとーさんと私なんか特にその傾向が強い気がする。さとーさんにとって“回文”って何でしょうか?

さとー:最初は楽しい言葉あそびの一つでしたが、今は表現の手段ですね。さとーってこういうヤツなんだよ、今こんなことを考えているのさっていうのを伝える、自己紹介の手段のようなものです。

二ノ宮:なるほど。そこは私とはだいぶ異なりますね。「表現の手段」という部分は共通するのですけど、私は比較的、表現は飽くまで表現であって自分の考えとは必ずしも一致しない、って割り切ってしまいます。ええと今後、回文活動をどのように展開させていきたいですか?

さとー:今は西荻窪中心ですが、いずれ日本中で回文ライブをやりたいです。誰のためとかじゃなくて、僕の考えていることや伝えたいことを回文で表現して、それをたくさんの人に観てもらいたい、伝えたい。と、思ってます。あと施設ボランティア、回文教室などの活動も並行してやって、あらゆる世代の人々を回文で洗脳したいですね。

二ノ宮:なにやら壮大でいいですね~。では、最後に読者へのメッセージを回文で。

さとー自信作拡散指示!(じしんさくかくさんしじ)……僕の回文は、ぜんぶ面白い自信作揃いですから、みんなにどんどん拡散してもらいたいです、よろしくお願いします!

二ノ宮:ありがとうございました!


■さとーさんTwitter
https://twitter.com/satoadd9
■西荻窪CafeBar【ZiZiAnnabelle】
http://www.ziziannabelle.com
■東京カルチャーカルチャーbyNIFTY
http://tcc.nifty.com

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