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ストレス社会を闘うあなたに猫を。

回文メルヘン劇場・ブレーメンの音楽隊

      2016/05/24

東京カルチャーカルチャー『回文キング・納涼! 回文夏まつり』にて大好評だった『回文メルヘン劇場・ブレーメンの音楽隊』を記事として書き起こしました。グリム童話『ブレーメンの音楽隊』のセリフ部分が全て回文になっております。二ノ宮はナレーターだったため回文師としては参加しておりませんが、イヌ役がさかさ歌の中田芳子師匠、ニワトリ役が歌ネタ王決定戦2014の覇者・手賀沼ジュンと、豪華キャストになっております。

ロバ     …… 赤川広幸
イヌ     …… 中田芳子
ネコ     …… 回文ブルース
ニワトリ   …… 手賀沼ジュン
ドロボウ親分 …… モーリー
ドロボウ子分 …… さとーさん
ナレーション …… 二ノ宮よう子

むかしむかし、1匹のロバが飼われていました。
ロバはとても働き者でしたが年をとり、だんだんと思うように仕事ができなくなっていました。
そしてある日、ついに主人の家から追い出されてしまったのです。
家を追い出されたロバには行くあてなどありません。
ロバは……

ブレーメン1

「寄るな人間!! この身辞めやる! 死を理解し怒りを知るため、闇の根源になるよ!!」
(よるなにんげんこのみやめたるしをりかいしいかりをしるためやみのこんげんになるよ)

と思い、音楽隊のあるブレーメンという街を目指すことにしました。

しばらく歩くと、ロバは道でうずくまっているイヌと出会いました。
どうしたのか、ロバがたずねると、イヌは……

「老いし役たたずで愚か者。誰が使うか? 疲れたのも過労です。ただ口惜しいォ……」
(おいしやくたたずでおろかものだれがつかうかつかれたのもかろおですただくやしいお)

と答えました。
ロバに誘われて、イヌもいっしょにブレーメンへ行くことにしました。

しばらく歩くと、2匹はびしょ濡れのネコと出会いました。
どうしたのか、ロバがたずねると、ネコは……

「ニャニャニャ!! 煙草! 煙草! 煙草!!」
(にやにやにややにやにやに)

と答えました。
ロバとイヌに誘われて、ネコもいっしょにブレーメンへ行くことにしました。

1軒の農家の前を通りかかったとき、3匹は朝でもないのに声を張り上げ鳴いているニワトリと出会いました。
どうしたのか、ロバがたずねると、ニワトリは……

ブレーメン2

「ルー!! ウド! ウド! 閣下!! 和民で見たわ! カッカ・ドゥドゥール!!」
(るーうどうどかつかわたみでみたわかつかどうどうーる)

と答えました。
ロバとイヌとネコに誘われて、ニワトリもいっしょにブレーメンへ行くことにしました。

ブレーメンへの道のりはまだまだ長く、その晩、4匹はおなかを空かせたまま森で野宿することにしました。
ロバとイヌは木の根元で、ネコは木の枝で眠ることにしました。
ところが、ニワトリが木のてっぺんで眠ろうと上へのぼると、遠くに家の明かりが見えたのです。
ニワトリは……

「中井家、いい電話!! きっと風呂・ロフト付き!! 1DKかな?」
(なかいけいいでんわきつとふろろふとつきわんでいいけいかな)

と言いました。
それを聞いて、みんなは明かりを目指して再び歩きはじめました。

ようやく明かりの灯る家へたどり着くと、一番背の高いロバが、窓から家の中の様子を覗きました。
中ではドロボウたちが……

ブレーメン3

「常、夜笑み、ワイら笑くぼ。ママ…!! 僕、偉いわ! 見えるよねっ?」
(つねよるえみわいらえくぼままぼくえらいわみえるよねつ)

「夜ときどきドロ。色々ドキドキ盗るよ!」
(よるときどきどろいろいろどきどきとるよ)

などと話しながら、ごちそうを食べたり、金貨を分け合ったりしています。
ロバは……

ブレーメン4

「よし、城ごと火で人殺ししよ」
(よししろごとひでひとごろししよ)

とみんなに伝え、みんなでドロボウを追い出すための相談を始めました。
やがて4匹は、とても良い方法を思いついたのです。

まずロバが窓枠に足をかけます。
そのロバの背中にイヌがのっかり、
続いてネコがイヌの上に駆けのぼります。
最後にニワトリがネコの頭に飛びのりました。
そして、ロバ……

ブレーメン5

「死の幕開けだ、口うるさい猿!! 打ち砕け…! 『悪魔の詩』!!!!」
(しのまくあけだくちうるさいさるうちくだけあくまのし)

イヌ……

「何か下にいたっ! 絶対に、たしかにな?」
(なにかしたにいたつぜつたいにたしかにな)

ネコ……

ブレーメン6

「よせよ! 重い! もぉ! よせよ!」
(よせよおもいもおよせよ)

ニワトリ……

「猫! ネコ耳、コネコネ♡」
(ねこねこみみこねこね)

みんな一斉に鳴きわめきました。
それから4匹は窓を割り、家の中へと飛び込みました。
ドロボウたちは化け物が出たと思い込み……

「あああああ!! ママあああああ!!」
(あああああままあああああ)

「悪い敵、子ネズミ? 巫女? ミミズ? 猫? 来ているわ!」
(わるいてきこねずみみこみみずねこきているわ)

と言って森へと一目散に逃げ去ってしまいました。

ドロボウの残したごちそうを食べ、おなかがいっぱいになった4匹は、すっかり眠くなりました。
ロバは庭の藁の上。イヌは入口の戸のうしろ。ネコは暖炉のそば。ニワトリは屋根の上。それぞれの寝場所で、4匹はすぐに寝入ってしまいました。
そのころ森では、ドロボウの親分に……

「ママの艶やかな絵、中やであのまま!」
(ままのあでやかなえなかやであのまま)

と言われた子分が1人、4匹のいる家へ引き戻そうと歩いていました。
家へ着くと、さっきとは打って変わってひっそりと静まりかえり、物音ひとつしません。
そこでドロボウは中へ入り、明かりを点けようと暖炉の残り火にマッチを押しつけました。
ところがそれは残り火ではなく、ネコの目の光だったのですから、さあ大変です。
ネコは怒って……

「痛い! 痛い! 目だ! 目だ! ダメダメ! 痛い痛い!」
(いたいいたいめだめだだめだめいたいいたい)

と言ってドロボウに飛びかかり、するどい爪で顔をめちゃくちゃに引っかきました。
逃げ出そうと戸口に向かったドロボウを今度はイヌが……

ブレーメン7

やっつけろ! 見ろ、ゲッツや」
(やつつけろみろげつつや)

と言って噛みつきました。
慌てて庭へ飛び出したドロボウに、ロバが後ろ足で蹴りを食らわせました。
この騒ぎで目を覚ましたニワトリが、屋根で大声を上げています。

命からがら森へ逃げ帰った子分は……

ブレーメン8

「たまらないさ。痛、痛たたた、痛い!」
(たまらないさいたいたたたいたい)

と親分に告げました。
2人は急いで森を去り、二度とその家に帰って来ることはありませんでした。

ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリの4匹は、すっかりその家が気に入ってしまい、ブレーメンへ行くのはやめて、そのままそこに住むことにしました。
そして毎日たのしい音楽が奏でながら、いつまでも仲良くしあわせに暮らしましたとさ。

おしまい

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