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思いやりがない人は、コウモリに学びなさい

      2016/08/13

日常生活において他人から「思いやり」を持ってもらうことは、自分の利益につながるために重要なことです。

そこで、多くの人から「思いやり」を持って接してもらいたいわけですが、そのためにはどうすれば良いのでしょうか。

「思いやり」とは

「思いやり」とは、生物学的には「利他的行動」のことです。つまり、他人に思いやってもらうことは、他人の利他的行動の対象になるということです。

では、利他的行動の対象となるにはどうすれば良いのでしょうか。それには2つの場合があると言われています。

・利他的行動をする個体と血縁関係がある
・利他的行動をする個体とその対象の間に”give and take”の関係が成立している

これら2つに共通する特徴は、利他的行動をする側に生物学的なメリットがあるということです。

1つ目の条件の場合は、利他的行動をする個体とその対象が血縁関係にある場合です。血縁関係があるということは、利他的行動をする個体の遺伝子をその対象が持っているということです。従って、血縁関係にある個体にメリットのある行動をすることで、自分の遺伝子を守ることになるのです。

2つ目の条件の場合は、利他的行動をする個体とその対象との間に”give and take”の関係が成立している場合です。これを行うために前提として必要な能力は、人から受けた”give”を記憶するための記憶力です。決められた個体間で、”give and take”を行うことで、どちらかが悪い状況にある場合に助け合い、生存率を上げることができます。

日常生活に応用

他人から思いやってもらうためには、上述の2つのうちどちらかが必要なわけですが、「血縁関係をもつ」ということは、狙って出来ることではありません。よって、「思いやり」を持ってほしい相手とは「”give and take”の関係」を形成することが必要だと言えます。

では、”give and take”を行う仲間を作るにはどうすれば良いのでしょうか。それを知るために、利他的行動を行う代表例であるチスイコウモリの例を見てみましょう。

チスイコウモリとはその名の通り、血をエサとするコウモリです。彼らは夜に飛び回ってエサを探しますが、そのうちの何割かはエサを得ることが出来ずに朝を迎えてしまいます。その時に他の個体が利他的行動として血を分けてくれると言われています。

この時に覚えておきたいのは、血を与えることによるコウモリの「損失」は、血を分けてもらうことによる「利益」よりも小さいということです。同じ量の「血」であっても、それをエネルギーにして生きられる「時間」は血を分けてもらうコウモリの方が大きいのです。

これをもとに我々が出来ることは、自分が比較的余裕があり、利他的行動による損失が少ない時に、それを受ける利益が大きい個体に対して利他的行動を行うことであると言えます。

分かりやすく言いますと、自分に余裕がある時は困っている人を助ける、ということになります。こうすることで”give”を返報してもらい、”give and take”の関係を形成できる可能性があります。

しかし、ここで”give”したにも関わらず、”take”出来ない場合が懸念されますね。

これもチスイコウモリの例を見てみましょう。チスイコウモリは自分が”give”した対象をしっかりと記憶しており、その後に”take”を得られない相手には再び”give”をすることはありません。そうして”give”を返報しない個体は生存率が低くなります。これを人間に当てはめると、”give”しても返報のない人には2度と”give”しない、ということになります。

それによって最初に行った”give”が無駄に思えるかも知れませんが、これにより間接的なメリットを得ることができるので心配いりません。

そのメリットは間接互恵性と呼ばれるものです。”give”を最初に与えることで、自分が”give”を与えるような個体であるという評判が伝わり、自分から多くの”give”を仕掛けなくとも、”take”を得られる個体と認識してもらえます。これにより、周りから”give”してもらいやすくなります。

以上のように戦略的に”give”を行うことで、”give and take”の関係を形成できる個体を発見でき、仲間を増やすことができます。これにより、自分が困っている時にほぼ確実に”take”出来る環境を作り出せるのです。

具体的には、それぞれの人間が”give”を行える状況にある確率がpで、”give and take”の関係にある人がn人いると仮定すると、自分が”take”を受けたい時に受けられる確率は1-(1-p)^nとなります。仮にp=0.8,n=10とすると、その確率は限りなく1に近づきます。

以上を簡単にまとめると、「思いやり」を得るためには、自分から先に「思いやり」を持って”give”を行うことで”give and take”の関係を形成できる仲間を増やす、ことが重要だと言えます。

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