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家族が認知症になった時に知ってて欲しい3つのこと

      2016/08/13

本人が認知症になるのと同じくらい、いやもしかしたらそれ以上に辛いのが認知症患者の介護者になることです。なぜなら、認知症患者は「辛い」という状況すら認知できないのに対して、その家族は「辛い」を認知できるからです。

知らぬが仏ではないですが、認知できるからこそ「辛い」と感じることで世の中は溢れています。認知症の家族を抱えた将来に絶望を描ける想像力があるからこそ、認知症患者をその家族が殺害するという浅ましい事件がおきるのです。

正常な人を異常な行動へと駆り立てる可能性があるというこの意味で、認知症患者よりもその家族こそ、この認知症という病気について理解すべきです。

そこで本日は、家族が認知症になった時に知ってて欲しい3つのことをご紹介します。なお、本記事で扱う認知症とは、日本で最も多いとされるアルツハイマー型認知症という認知症に限定させて頂きます。

1.認知症は治らない

認知症には、対処療法はあっても根治療法は残念ながらありません。ですので、認知症に罹ったら死ぬまで認知症です。まずは、この残酷な現実を受け入れてください。

アルツハイマー型認知症を治療する医薬品といえば、1999年に発売されたアリセプトという薬が有名ですが、この薬の効果・効能には「アルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制」と記載あります。

進行抑制と記載ありますように、良くても現状維持がやっとで、この薬の効果による症状の改善は期待できません。

アリセプト以外にも、2011年以降はレミニール、リバスタッチ、メマリーといった認知症の新薬が発売されましたが、残念ながら3剤ともに効果・効能は進行抑制に留まります。

以上のように、認知症の進行を抑える対処療法としての薬物療法はあるけれど、症状を改善したり、発症を予防するなどの根治療法は現在のところありません。

2.認知症は治るかも

認知症が発症する原因は、現在のところ明らかになっていません。そのため、治せないのです。しかし、治せる可能性として有力な1つの仮説があります。その仮説とは、アミロイドカスケード仮説です。

この仮説では、アミロイドβと呼ばれるタウタンパク質の蓄積により脳神経細胞が死滅し、認知機能が低下することで認知症が発症すると考えられています。

この仮説に基づいた治療法を確立するため、製薬会社がこぞって新薬の開発を進めています。

なかでもエーザイは「BAN2401」「E2609」「BIIB037」と、アミロイドカスケード仮説に基づいた3つの異なる作用機序の医薬品を開発中で、早くて2020年頃に「BAN2401」と「E2609」が発売されます。

これら新薬は、認知症の原因とされるアミロイドβタウ蛋白を作らせない、分解する、認知症を発症させる特定部位に付着させないなど、3つの異なる機序を持ち合わせています。

もしも認知症の発症原因としてアミロイドカスケード仮説が正解ならば、この仮説に基づいて開発されている3つの医薬品のどれかしらは、進行抑制に留まらず改善傾向以上の効果を示すのではないでしょうか。

以上のように、認知症の発症原因は現在のところ明らかではないですが、有力仮説に基づいた治療法を検証している状況には希望が持てます。お先真っ暗なわけではないのです。

3.認知症でも治るものは治る

根治療法がない認知症でも治るものは治ります。ここでいう治るとは、症状を改善させるという意味です。

認知症の症状は、大きく分けて中核症状と周辺症状の2つがあります。

中核症状とは脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状で、例えば記憶障害、理解・判断力の低下などです。

これら症状は、認知症の誰もがなる症状であり、残念なことに治りません。

一方、周辺症状とは脳の細胞破壊からだけでなく、本人の性格、他人との関わりなどの環境から起こる症状で、例えば徘徊、物盗られ妄想、便を掴んだり投げるなどの弄便(ろうべん)などです。

これら症状は、認知症に罹った本人の性格、家族などの環境により発症する症状は異なりますが、症状の改善または消失する可能性が示唆されています。

もちろんあくまでも示唆ではありますが、向精神薬などの薬物療法により症状の改善が証明されていることは、認知症患者の家族にとって希望です。

なぜなら、認知症患者の家族が「辛い」と感じる一番の理由は、この周辺症状にあるからです。

例えば、周辺症状の1つである徘徊をした認知症患者が電車に跳ねられた事故で、その介護者が鉄道会社から損害賠償を求められた事件があります。

幸いにも鉄道会社の請求は棄却されましたが、こんな事例があると、介護者は迂闊に外出ができなります。会社勤めの仕事なんて、なおさらできません。

もしも認知症患者が死ぬまで介護者の外出や仕事が制限されるとしたら、その将来に絶望を感じざるを得ないでしょう。

しかし、認知症の家族の行動を制限するような徘徊などの症状は、治る可能性があります。絶対ではありませんが、少なくとも改善しない認知機能よりかは改善への希望が持てます。

家族が認知症になったあなたへ

現在の医療では、認知症は治りません。しかし、未来の医療では治る可能性があります。そして、治らなくても治せる認知症の症状はあります。

もしも家族が認知症になったとしたら、あなたはその将来に絶望を感じることでしょう。それはそれで仕方のないことです。

しかし、その絶望の中から希望を見出す努力だけは絶対に辞めないでください。

認知症という病気を医師以上に、患者以上にあなたが知り、そしてその治療法を一緒に考えてください。それが、家族を認知症に持ったあなたができるたった1つのことです。

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